トリノはイタリア北西部ピエモンテ州の州都であり、ミラノの西南西約140kmに位置します。
古代ローマの植民都市として栄え、中世にはランゴバルド王国の一部となります。16世紀にはフランスの支配下の時代があり、18世紀にサルデーニャ王国の首都として発展しました。19世紀にはイタリア統一運動の中心地でした。
現在はミラノに次ぐイタリア第2の工業都市です。特に自動車メーカー、フィアットの本拠地として知られ航空産業の中心地でもあります。
トリノ旧市街の中心部を南北に貫くローマ通りは、カステッロ広場からポルタ・ヌウォーヴァ駅まで、その両側にポルティコが設けられています。ポルティコはイタリアの都市ではよく見られるアーケード空間のことで、天候に左右されることなく快適な歩行者の空間を確保してくれる装置です。
トリノで調査を行った3つのガッレリア3)事例のうち2つは、このローマ通りあるいはカステッロ広場のポルティコから連続してアプローチすることができます。いずれもトリノの歴史的中心部に位置しています。
本サイトに掲載している情報は、調査実施時のものです。現状では異なる場合があります。また当サイトでは現地での対象空間の見学等を保証するものではありません。見学等の場合には、現地での情報に従ってください。
謝辞
本研究はJSPS科研費24500929の助成を受けたものです。
参考
金子友美・芦川 智・菅井さゆり,都市街区における路地空間の利用と空間的効果に関する研究 第1回・第2回ヨーロッパ都市街区内路地空間調査報告,昭和女子大学學苑 885号,2014
金子友美・芦川 智・菅井さゆり・若林晴美,都市街区における路地空間の利用と空間的効果に関する研究(その2) 第3回・第4回ヨーロッパ都市街区内路地空間調査報告,昭和女子大学學苑 897号,2015
註釈
1)パリ市公式サイト, http://www.paris.fr/(2014/04/07)
2)パノラマ 近代の見世物のひとつで、遠景や動いている風景を表現する仕組みである。カンバスの両端にシリンダを設け巻き取ることで風景を移動させる仕組みや、円形あるいは多角形の建物の内部壁面を使い、その前に人形などを置いて展観させる仕組みがある。
3)ガッレリア galleria(伊) 屋根のある商店街や歩行者道路。
4)ドゥオーモ duomo(伊) 町の一番重要な教会、通常は司教座教会堂のことである。
5)パッサジオ passaggio(伊) 通路、道
6)ソト・ポルテゴ sotoportego(伊) 建物の下を通り抜ける道
7)ホフ hof(独)複数形はヘーフェ höfe 中庭、裏庭、構内(建物に付属して壁・塀などにかこまれた広場)