ヨーロッパ2012調査

05【ヴェネツィア】水路に囲まれた路地、建物の下乃を通るトンネル
ソト・ポルテゴ

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Written by showa_kanri

世界屈指の観光地であるヴェネツィアは、117の島々の上につくられた町で、150の運河と400の橋で構成されています。島内には車両を乗り入れることができないため、観光客の多くは島の入口であるローマ広場から水上バスを利用して中心部まで移動します。細かな水路を巡ることのできるゴンドラも人気です。
このようにヴェネツィアでは、水上交通が車両の代わりであり、その水路に囲まれた陸路は徒歩での移動を余儀なくされています。つまり水路に囲まれたひとつひとつの島は、都市の街区に対応するものと考えられます。
本調査では、ソト・ポルテゴ6)と呼ばれる建物の下の通りとそれに連続する路地空間を対象としました。ほとんどの場合、このトンネルのような空間に名称がついていて、それはトンネル入口付近に大きく示されています。一見私有地のようなつくりですが、それは通り抜けることができる空間です。(行き止まりの事例もあります。)
ヴェネツィアではこのソト・ポルテゴ12事例(複合的事例を含む)の調査を行いました。

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本サイトに掲載している情報は、調査実施時のものです。現状では異なる場合があります。また当サイトでは現地での対象空間の見学等を保証するものではありません。見学等の場合には、現地での情報に従ってください。

謝辞
本研究はJSPS科研費24500929の助成を受けたものです。

参考
金子友美・芦川 智・菅井さゆり,都市街区における路地空間の利用と空間的効果に関する研究 第1回・第2回ヨーロッパ都市街区内路地空間調査報告,昭和女子大学學苑 885号,2014

金子友美・芦川 智・菅井さゆり・若林晴美,都市街区における路地空間の利用と空間的効果に関する研究(その2) 第3回・第4回ヨーロッパ都市街区内路地空間調査報告,昭和女子大学學苑 897号,2015
 
註釈
1)パリ市公式サイト, http://www.paris.fr/(2014/04/07)
2)パノラマ 近代の見世物のひとつで、遠景や動いている風景を表現する仕組みである。カンバスの両端にシリンダを設け巻き取ることで風景を移動させる仕組みや、円形あるいは多角形の建物の内部壁面を使い、その前に人形などを置いて展観させる仕組みがある。
3)ガッレリア galleria(伊) 屋根のある商店街や歩行者道路。
4)ドゥオーモ duomo(伊) 町の一番重要な教会、通常は司教座教会堂のことである。
5)パッサジオ passaggio(伊) 通路、道
6)ソト・ポルテゴ sotoportego(伊) 建物の下を通り抜ける道
7)ホフ hof(独)複数形はヘーフェ höfe 中庭、裏庭、構内(建物に付属して壁・塀などにかこまれた広場)