ヨーロッパ2013調査

01【ベルリン】旧東ベルリンエリア中心部ミッテ地区の3つの中庭空間

1_P9030368
Written by showa_kanri

第2次世界大戦後、東西に分割されたベルリンは40年以上ものあいだ世界の東西冷戦の象徴でした。1961年いわゆるベルリンの壁が設けられてからは、その東西は物理的に遮断され、壁一枚隔てて全く異なる発展を遂げています。
1989年このベルリンの壁は崩壊します。これは単に東西のベルリンを隔てる壁が取り払われただけでなく、東西冷戦の終結をも象徴するものでした。その後1991年に連邦議会は首都機能移転を決議、ベルリンは東西統一ドイツの首都となり、都市内のインフラ整備や再開発が旧東ベルリン地区を中心に進められてきました。
私たちが調査を行ったのは、ベルリン中心部ミッテ地区の旧東ベルリンエリアにある3つの中庭空間です。いずれもホフまたはヘーフェ7)の名称をもちます。その中で最も規模の大きいハッケンシャー・ヘーフェは、19世紀にガラス製品メーカーが土地を購入し、20世紀初頭にその開発を行ったものです。かつてはユダヤ人の居住区でした。8個の中庭が連続するその空間は、現在では商店やギャラリーが軒を連ね、観光客の人気スポットとなっています。

2012berlin

About the author

showa_kanri

本サイトに掲載している情報は、調査実施時のものです。現状では異なる場合があります。また当サイトでは現地での対象空間の見学等を保証するものではありません。見学等の場合には、現地での情報に従ってください。

謝辞
本研究はJSPS科研費24500929の助成を受けたものです。

参考
金子友美・芦川 智・菅井さゆり,都市街区における路地空間の利用と空間的効果に関する研究 第1回・第2回ヨーロッパ都市街区内路地空間調査報告,昭和女子大学學苑 885号,2014

金子友美・芦川 智・菅井さゆり・若林晴美,都市街区における路地空間の利用と空間的効果に関する研究(その2) 第3回・第4回ヨーロッパ都市街区内路地空間調査報告,昭和女子大学學苑 897号,2015
 
註釈
1)パリ市公式サイト, http://www.paris.fr/(2014/04/07)
2)パノラマ 近代の見世物のひとつで、遠景や動いている風景を表現する仕組みである。カンバスの両端にシリンダを設け巻き取ることで風景を移動させる仕組みや、円形あるいは多角形の建物の内部壁面を使い、その前に人形などを置いて展観させる仕組みがある。
3)ガッレリア galleria(伊) 屋根のある商店街や歩行者道路。
4)ドゥオーモ duomo(伊) 町の一番重要な教会、通常は司教座教会堂のことである。
5)パッサジオ passaggio(伊) 通路、道
6)ソト・ポルテゴ sotoportego(伊) 建物の下を通り抜ける道
7)ホフ hof(独)複数形はヘーフェ höfe 中庭、裏庭、構内(建物に付属して壁・塀などにかこまれた広場)