ヨーロッパ2014調査

03【ライデン】植栽が整備された共用の中庭空間

s-DSC01810
Written by showa_kanri

ライデンはオランダ中西部南ホラント州に属しており、アムステルダムから南西約42kmに位置します。14世紀以降毛織物工業によりオランダ最大の都市でしたが、17世紀にはアムステルダムに次いでオランダで第2の都市となり、疫病の流行にもかかわらず人口は4倍となりました。現在の運河の形ができたのはこの時期であり、オランダで最も水路や橋が多い都市となりました。20世紀には産業は衰退し、現在では博物館や美術館などの文化施設や歴史的な市内中心部、古代の路地や運河や堀などがオランダで最も美しい都市と言われています。

2014leiden

Samuel de Zee’s hofjeはサミュエル・ド・ジーによって建設されました。高齢者の貧困層に対応することを目的として慈善団体によって使用されていた救貧院でした。現在では11の住宅があり、共同の中庭空間の植栽は整備されています。

Jean Pesijnhofjeは12戸の住宅が中庭空間を囲んでおり、植栽が手入れされ、モニュメントが置かれよく整備されていました。またそれぞれの住戸の玄関先もテーブルや椅子、植木鉢で花々が飾られていました。中庭空間と公道を結ぶ通路は機械式の駐輪スペースが備え付けられていました。

About the author

showa_kanri

本サイトに掲載している情報は、調査実施時のものです。現状では異なる場合があります。また当サイトでは現地での対象空間の見学等を保証するものではありません。見学等の場合には、現地での情報に従ってください。

謝辞
本研究はJSPS科研費24500929の助成を受けたものです。

参考
金子友美・芦川 智・菅井さゆり,都市街区における路地空間の利用と空間的効果に関する研究 第1回・第2回ヨーロッパ都市街区内路地空間調査報告,昭和女子大学學苑 885号,2014

金子友美・芦川 智・菅井さゆり・若林晴美,都市街区における路地空間の利用と空間的効果に関する研究(その2) 第3回・第4回ヨーロッパ都市街区内路地空間調査報告,昭和女子大学學苑 897号,2015
 
註釈
1)パリ市公式サイト, http://www.paris.fr/(2014/04/07)
2)パノラマ 近代の見世物のひとつで、遠景や動いている風景を表現する仕組みである。カンバスの両端にシリンダを設け巻き取ることで風景を移動させる仕組みや、円形あるいは多角形の建物の内部壁面を使い、その前に人形などを置いて展観させる仕組みがある。
3)ガッレリア galleria(伊) 屋根のある商店街や歩行者道路。
4)ドゥオーモ duomo(伊) 町の一番重要な教会、通常は司教座教会堂のことである。
5)パッサジオ passaggio(伊) 通路、道
6)ソト・ポルテゴ sotoportego(伊) 建物の下を通り抜ける道
7)ホフ hof(独)複数形はヘーフェ höfe 中庭、裏庭、構内(建物に付属して壁・塀などにかこまれた広場)