ヨーロッパ2014調査

04【アムステルダム】運河に沿って通りが同心円状に配され構成される街区

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Written by showa_kanri

アムステルダムはオランダの首都です。都市の始まりは13世紀にアムステル川の河口に漁民らがダムを築いて定住するようになったことと言われています。運河の風景が特徴的な都市で、複数の運河が同心円状に広がっています。シンゲル、ヘーレン運河、プリンセン運河、カイザー運河の4つの運河に囲まれたエリアは都市の中心部を構成しています。

現在の都市は運河に沿って通りが同心円状に配され、それらによって構成される街区には通りをつなぐ抜け道が多数設けられています。アムステルダムではこうした路地空間を調査対象としました。調査地はいずれも一番中心部の運河、シンゲルの内側です。

2014amsterdam

Nieuwe Zijds KolkはNieuwe Zijds Voorburgwalという大きな通りに面して位置している広場空間です。広場に取り付けられた地名を記す看板にはCENTRUMの記述もあり、アムステルダムの歴史的中心であると考えられます。現在は椅子やテーブルなどが設置されており、オープンカフェのテラスとして利用されています。広場東端にあるコレンメーターハウスは1620年に建てられ、アムステルダムに存在しているギルドハウスのひとつです。ギルドとは商工業者の職種ごとの同職組合です。建物の壁面には「Heemshut組合本部、オランダ文化財保護協会」と記した看板が取り付けられています。
広場を通り抜け東に進むと細い抜け道KolksteegやSint Jacobsstraatへと続いていきます。

Sint Nicolaas Straatの東側は、商店が並ぶ繁華街に接しています。この通りの東端にも世界的に有名なファストファッションの店舗があり、通りの長さの約1/3はその店舗壁面によって構成されています。しかし西側の2/3は閑静な住宅街となっており、立ち話をしている人や子どもが遊んでいる姿が見られました。

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showa_kanri

本サイトに掲載している情報は、調査実施時のものです。現状では異なる場合があります。また当サイトでは現地での対象空間の見学等を保証するものではありません。見学等の場合には、現地での情報に従ってください。

謝辞
本研究はJSPS科研費24500929の助成を受けたものです。

参考
金子友美・芦川 智・菅井さゆり,都市街区における路地空間の利用と空間的効果に関する研究 第1回・第2回ヨーロッパ都市街区内路地空間調査報告,昭和女子大学學苑 885号,2014

金子友美・芦川 智・菅井さゆり・若林晴美,都市街区における路地空間の利用と空間的効果に関する研究(その2) 第3回・第4回ヨーロッパ都市街区内路地空間調査報告,昭和女子大学學苑 897号,2015
 
註釈
1)パリ市公式サイト, http://www.paris.fr/(2014/04/07)
2)パノラマ 近代の見世物のひとつで、遠景や動いている風景を表現する仕組みである。カンバスの両端にシリンダを設け巻き取ることで風景を移動させる仕組みや、円形あるいは多角形の建物の内部壁面を使い、その前に人形などを置いて展観させる仕組みがある。
3)ガッレリア galleria(伊) 屋根のある商店街や歩行者道路。
4)ドゥオーモ duomo(伊) 町の一番重要な教会、通常は司教座教会堂のことである。
5)パッサジオ passaggio(伊) 通路、道
6)ソト・ポルテゴ sotoportego(伊) 建物の下を通り抜ける道
7)ホフ hof(独)複数形はヘーフェ höfe 中庭、裏庭、構内(建物に付属して壁・塀などにかこまれた広場)