プラハはチェコ共和国の首都であり、チェコ第1の都市です。14世紀神聖ローマ帝国の皇帝カレル4世のもとで首都となり都市は成長しました。14世紀末から15世紀にはヤン・フスなどの宗教改革運動の中心地でした。町の中心旧市街広場にはフスの銅像が建っています。
調査は旧市街広場の南側からバーツラフ広場周辺にかけて、17事例実施しました。ただし明確な名称がついていない事例も多くあります。
その中でも特徴的なのが、バーツラフ広場の中程南西側の1街区を占めるパサージュ・ルツェルナです(建物自体はルツェルナ宮殿)。パサージュ・ロココ(1912~16年建設)、パサージュ・ウ・ノヴァークと名前の付いた空間を含めると、長手方向で200mにもおよぶ巨大な施設であり、四方の通りに接続する出入口が8カ所あります。建物は1907~1921年に建設されたもので、プラハ初の多目的施設でした。その最初の飲食店は1909年開店の日本風喫茶店Jokohama(ヨコハマ)でした。
内部には現在も多数の店舗、レストラン、映画館、カフェ、コンサートホールがあります。カフェや映画館の入口など歴史を感じさせる要素も多く見られますが、現代的なデザインの店舗も多く、新旧が混在する空間です。
04【プラハ】プラハ初の多目的施設
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謝辞
本研究はJSPS科研費24500929の助成を受けたものです。
参考
金子友美・芦川 智・菅井さゆり,都市街区における路地空間の利用と空間的効果に関する研究 第1回・第2回ヨーロッパ都市街区内路地空間調査報告,昭和女子大学學苑 885号,2014
金子友美・芦川 智・菅井さゆり・若林晴美,都市街区における路地空間の利用と空間的効果に関する研究(その2) 第3回・第4回ヨーロッパ都市街区内路地空間調査報告,昭和女子大学學苑 897号,2015
註釈
1)パリ市公式サイト, http://www.paris.fr/(2014/04/07)
2)パノラマ 近代の見世物のひとつで、遠景や動いている風景を表現する仕組みである。カンバスの両端にシリンダを設け巻き取ることで風景を移動させる仕組みや、円形あるいは多角形の建物の内部壁面を使い、その前に人形などを置いて展観させる仕組みがある。
3)ガッレリア galleria(伊) 屋根のある商店街や歩行者道路。
4)ドゥオーモ duomo(伊) 町の一番重要な教会、通常は司教座教会堂のことである。
5)パッサジオ passaggio(伊) 通路、道
6)ソト・ポルテゴ sotoportego(伊) 建物の下を通り抜ける道
7)ホフ hof(独)複数形はヘーフェ höfe 中庭、裏庭、構内(建物に付属して壁・塀などにかこまれた広場)