ミュンヘンはドイツ南部の商工業都市で、バイエルン州の州都です。16世紀以来、バイエルン公国の首都として繁栄してきました。現在は光学や精密機械などの工業とビール醸造で有名な都市です。1920年代にはヒトラーの率いるナチスの活動の場となり、第2次世界大戦では連合国軍の爆撃により旧市街の90%は破壊されました。そして戦後、町は再建され1972年にはオリンピックが開催されました。
調査を行ったのはこの旧市街中心部の31事例です。パサージュやホフの名前がついたものが多くあります。そしてそれらはその破壊と再建の歴史を物語るかのように、新旧の事例が混在しています。
アルター・ホフは、13世紀皇帝の居住地であった場所です。旧裁判所の建物は第2次世界大戦後、再編成・再建されたもので、現在は博物館やインフォメーション施設が入っています。四方を建物に囲まれた落ち着いた佇まいの空間です。
アルター・ホフの北西約200mのところには、フュンフ・ヘーフェがあります。その名のとおり、5つのパサージュとホフを中心に構成された巨大な商業施設です。世界的に有名な建築家ヘルツォーク&ド・ムーロンらによって設計されたこの空間は、2003年にオープンしました。